コーキング(シーリング)打ち替え工事#2
前回のブログでご紹介した通り、
今回もコーキング(シーリング)打ち換え工事についてご紹介いたします。
さて本題のシーリングですが結論から言いますと大切な事は4つだけです。
①ノンブリードを使う
ゴム成型品によく起こる問題として、「ブリード」があります。
これは、どういった現象かというと、ゴム成型品が、時間が経つと、表面に油分(可塑剤)が出てきてネチャネチャする状態です。
接触しているプラスチックを劣化させ、場合によってはプラスチックが割れてしまう問題が起こります。
これを移行性といいます。
何故このようなブリードがおこるのでしょうか?
溶媒と溶質には、SP値(溶解度パラメーター)というものがあります。
SP値が近いもの同士なら、溶解しやすいという性質があります。逆に、SP値が離れているもの同士は溶解しないということになります。
例えば、SP値が低いEPDMというゴムに、SP値が高いアロマオイルを混ぜても絶対に溶解はしません。
ですので、このような場合、ゴム成型品が間違いなくブリードします。。。。
大切な事は可塑剤の選定と、添加量です。
例えば再生ゴムがアロマ系可塑剤とSP値が近いほうなので、変にそこそこは吸収してくれます。
アロマ系可塑剤が少量だけなら再生ゴムと相溶してくれるのですが、多すぎると、SP値が極端に違うEPDMには相溶しないので、確実にブリードします。
ナフテン系可塑剤のグレードをきっちりと選定し、適量を添加すれば、ブリードは起こらないのです。
すなわち溶媒-溶質を混ぜる時には、SP値(溶解度パラメーター)を考慮しながら、配合設計を考えたものを使用すべきです。
②低モジュラスを使う
モジュラスって何ぞや?って人も多いと思いますので少し詳しく書かせていただきます。
モジュラスは、高モジュラスと低モジュラスがあります。最近は中モジュラスっていうのもあるので若干ややこしいですが(笑)
コーキング材充填時の目地幅に対して、50%目地幅を広げたときの応力を(50%モジュラス)といいます。
国土交通省の建築工事共通仕様書では、一成分型シリコーン系コーキング材について、この値が2.5kgf/cm2以下のものを低モジュラスといいます。
2.5kgf/cm2をこえるものを高モジュラスと定めています。
同じ種類のコーキング材を比較した場合、低モジュラスの方が耐ムーブメント性に優れ、また、被着面にかかる力も小さいことから、比較的動きの大きいサイディングの目地やカーテンウォールの目地やALCまたは塗装面などで、強度の弱い被着体には低モジュラスのコーキング材が適しています。
③塗料の持ち年数に合わせる
コーキング材と塗料の相性は当たり前の事ですが、すごく基本的なことを言えば塗料が塗れるコーキング材を選ぶ事です。変成シリコンやポリウレタンなどがこれに当たります。
次に紫外線や酸性雨や熱劣化によっても長持ちする耐候性が大事です。
そしてサイディングの動によって伸縮が繰り返されても長期間維持できる柔軟性です。
しかし長持ちの度合いは選ぶ塗料の耐久性と建物そのものの耐久性に左右されます。
例えば持ち年数10年の塗料にオートンのイクシードのような20年の目地を使用しても10年後の塗り替えの際に取り替えます。まだ10年持つのに取り替えるのは勿体なくないでしょうか?
15年の耐久性には15年持つコーキングを勧めるほうが無駄なお金をかけずに済むのでお得だと思います。
サンライズのNB50で適当かと思います。
私は貧乏性ですので勿体ないご提案はしてません(笑)
④工事の仕方を熟知している1級防水シーリング技能士にしてもらう
コーキングの打ち替え工事と増し打ちの工事がありますがサッシ周りのブチルテープを傷付けないように打ち替えをするのがベストです。
しかし危険性が高いのに無理に打ち替えてブチルテープに傷を付けると壁を剥がさない限り補修も出来ません。
コーキングだけでなく雨漏りや雨仕舞についても熟知しておく必要があります。
そしてコーキングの工事は7工程あります。
1.既存シーリング撤去
2.マスキングテープ貼り付け
3.ボンドブレーカー貼り
4.プライマー塗装
5.新規シーリング充填
6.シーリング押さえ工事
7.マスキング撤去
それぞれに拘りがありますがマニアックになりすぎるので説明は省きます(笑)
3のボンドブレーカーは2面接着の為に行います。
目地にコーキング材を充てんする場合、相対する被着面に接着させ、目地底には接着させないことをいう。これはコーキング材が目地の伸縮に追従できるよう配慮したものです。
コーキング(シーリング)の工事で不安がある方はご相談ください。
もちろんご相談は無料ですよ(^_-)-☆
長いご説明もこれでおしまいです。
最後まで見ていただきありがとうございました!!
コーキング(シーリング)打ち替え工事#1
本日はコーキング(シーリング)の打ち替え工事についての注意すべき点のついてお話します。
最近はネットの普及によりお客様の中にも関心するほど高い知識の方がいらっしゃいます。
しかし大半の方は間違った知識の方もいらっしゃいます。
その理由はネットに間違った知識が沢山載っているからなのか?
また間違った知識の営業マンの言うことを鵜呑みにしているからだと思います。
日々メーカー様も良い商品を作り出そうと研究を重ねていますのでビックリするほどの持ち年数の商品も出来ています。
しかしコーキングの劣化は商品の持ち年数だけでなく家の開きや地震、また地盤沈下も影響します。
まず家の開きについて何故開くのか?
私は梁や桁や柱などの骨組みの開きも大きく関わっていると思います。
一般的な梁の開きの理由は梁の組み方が腰かけ蟻継ぎや腰かけ鎌継ぎのような一般的な継ぎ方を止める金物が鎹(かすがい)というホッチキスのお化けのような物を使っているのですが引っ張りに対する強度が少なく地震ですぐに開いてしまうからです。
しかも金物もZ金物と呼ばれる強度がはっきりしている物を使用してくれていたら構造計算が出来るのですが残念ながら同等品と呼ばれる少し安価なものが使用されている可能性が高いのです。
ちなみにジェイエスシーでは予算にもよりますが梁や柱を直す事も得意分野ですので気になる方はおっしゃってください。
さて本題のシーリングですが結論から言いますと大切な事は4つだけです。
と、今日はこのくらいにしておきます。
最後まで見ていただきありがとうございました!!