塗装の知識

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コーキングの選び方はどれが正解？

枚方市、寝屋川市、交野市でDIYが流行っていて多くの質問が来る内容です。

サイディングの塗装やALCの塗装の際、またはモルタル壁のクラック(ひび)の補修の場合はどのコーキングを使えばいいの？と一般のお客様や塗装屋さんから多くの質問が来ます。

本日の内容は深すぎる説明ではありませんが少しプロ用の内容になるかも知れません。

コーキングとシーリングの違い

まず基本的な内容ですが、コーキングとシーリング、またシールという呼び方がありますが、どれでも同じと考えて特に問題はありません。

ここではコーキングで統一します。

室内と屋外での使い分け

コーキングの選び方の基本は使用するのは外か室内か？でも大きく変わります。

お風呂の浴槽周り、キッチンのシンク周りなどはホームセンターで一番安いシリコンコーキングで大丈夫です。

シリコンコーキングは外では基本使いません。

耐久性が弱くてコーキングの上に塗料が塗れないからです。

耐水性、撥水性には優れていますが、どうせなら防カビ剤の入ったものを使う事をおすすめします。

サッシ周りとサイディングの継ぎ目

次にサイディングの継ぎ目のコーキングですが、サッシ周りを含め全て打ち変えを推奨しています。

新築時にコーキングを打つ際にサイディングの隙間だからとかサッシ周りだからと言って種類や工事の時期は分けません。

基本は同じコーキングを同じ時期に打つのです。

塗装業者にもよりますがサッシ周りは増し打ち(既存のコーキングを取り除かず上から打つ方法)を進めてくる場合があります。

理由は相見積もりで安く出せば何も知らないお客様は安い方を選ぶ。

そして手間隙も打ち変えと比べて少ないので人件費も材料費も廃材処分費も下げれるからです。

しかし、プロから見れば明らかな手抜き工事になります。

サイディングに使うコーキング材

使うコーキングは変成シリコンが良いです。

紫外線に強く塗料も塗れます。そして切れにくいという特徴があります。

その中でもNBと書かれた物を使用する方が良いです。NBとはノンブリードという意味です。

この性能が無い変成シリコンはブリードという現象がおきます。

MEMOブリード現象の説明

コーキング剤の中に柔らかさを担保するために可塑剤(かそざい)という物質が入っています。

この物質は正確にはフタル酸エステルという物が主で塗装した塗料の表面に浮き上がってきます。手触りはネチャネチャした感じです。

そこに排ガスなどの空気中の汚れを付着させて汚くグレーの方が出ます。

こうならない為にNB(ノンブリード)しか弊社では使いません。

ALC外壁におすすめのコーキング材

そしてALCの外壁の場合はポリウレタンがおすすめです。

ポリウレタンは動きの大きな箇所に使います。ALCの外壁は地震の際に非常に大きな動きをします。その大きな動きによってALCの素材に負荷がかからないように設計されていますのでポリウレタンになります。

もちろん塗料が塗れるしNBを選ぶ事が望ましいです。

低モジュラスの重要性

この他にも低モジュラスを選ぶというのも大切な事です。

上記３種のコーキング全てに該当するのですが低モジュラスとは地震などの揺れに対して伸縮するのですが伸びきったコーキングが元に戻ろうとする力が弱い物になります。

強いと破断といって元の位置に戻らずちぎれてしまう可能性が高いからです。

メーカー選びについて

そしてどのメーカーが良いの？と質問があるのですが、コーキング剤を発売している会社は50社以上ありますので答えづらいです。

有名所ではオート化学、サンライズ、スリーエム、日東電工、信越化学、カナエ、富士工業、関西パテなどですが、それぞれの会社が沢山の商品を出してますので種類でいったら500種類ほどあると思われます。

コーキング寿命と塗料のバランス

そして何でもかんでも長持ちすれば良いのか？というと答えはNOです。

選ぶ上塗りの塗料の持ち年数に合わせるのが良いと思います。

例えば上塗りの塗料が15年、コーキングが20年ならば次の塗り替えのタイミングで全て撤去しますのでコーキングの5年を無駄にしてしまいます。これでは5年分のコーキングのコストが損ということになります。

jsc

執筆者株式会社ジェイエスシー
代表取締役　大町武司

【経歴】中学校卒業後、大工や塗装の職人として建築業界に携わる。20歳で起業しハウスメーカーの下請けとして独立し、株式会社ジェイエスシー（(J)住宅・(S)性能・(C)調査の略）を創業。寝屋川市、枚方市、交野市と周辺地域で年間150棟の塗装工事を施工。雨漏り解決の国内最大組織一般社団法人　雨もり119　関西ブロック長に就任や大阪府職業能力開発協会より「技能検定委員」　委嘱される（※技能検定委員＝塗装資格の審査員）経歴を持つ。また一般社団法人　雨漏り鑑定士協会の理事を務める。

また、FMひらかた「行列のできる塗り替え相談室」を始めて悪徳業者を排除する運動を呼びかける。そのほかNHKなどのメディアでも多数出演し新聞や雑誌にも掲載されている。